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シャープの新堺工場 壮大なプロジェクト始動
【ねじ・ネジ・業界紙】 シャープの大型液晶パネル工場の「新堺工場・21世紀型コンビナート」が昨年11月に着工した。関西の大型プロジェクトの中でも注目されている同物件は、大阪府堺市の臨海工業地帯の堺浜(堺第2区)に位置し、着々と工事が進められている。
敷地面積は127万平方メートル(38・5万坪)。完成すれば、液晶分野で同社が世界を席巻する“亀山ブランド”生産の三重県亀山工場を凌ぐ、4倍の敷地規模となる見通し。甲子園球場が32個入る。
年初に、この壮大なプロジェクトを一目見ようと現地を訪れた。もちろん、敷地内は関係者以外の立入禁止となっているが、この情報を提供して頂いた有力ねじ商社の第一ボールト(株)・小林三洋社長の教え通りに、現地を一望できる隣接地の海とのふれあい広場へと足を運んだ。
現地では、地盤基礎の杭打ち機、クレーンなど100基を有に超える各建設機が機種部を空高く伸ばし操業していた。一つの現場において、これだけの建設機が導入されるのは将来的にも見られないのではと言われている。また敷地内をみると、盛土もしくは残土排出のためのダンプカーがひっきりなしに専用ゲートを往来し、正確ではないが10分間に40台以上が目の前を通り過ぎていった。
基礎工事完了区域から工場棟の建て方が始まり、早ければ来月にも取り組む予定とされ、新工場の本格稼動は10年(平成22年)3月までの開始を目指している。
シャープの投資金額は約3,800億円。ただし、液晶産業の一大生産拠点としてガラスなど主要構成部材メーカーの進出に加え、共通の部材を使用する太陽電池の新工場併設等から、工場建設を中心にした関連投資は約8,000億円を試算。雇用は約7万人、うち堺市で約4万6千人。工場完成後、10年間のフル稼働操業の場合には約11兆1,100億円の経済効果に、雇用拡大は約8万人(うち同市で約5万2千人)の分析が表わされている。この経済波及効果は、あくまでも関係筋が机上での算出から、実際に額面通りの効果が期待できるとは言いがたいが、関西圏では新たな産業と市場及び雇用環境が創出されることになる。一説には、就業者のために市内からの公共機関(電車)や、交通網整備に阪神高速道路出入口の新設等の計画も巷では聞かれる。
第2065号5面
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- シャープの新堺工場 壮大なプロジェクト始動 -- 2008/02/10 日曜日