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村上泰賢氏の「わが国産業革命のはじまり」103 -日本産業革命の地・横須賀造船所―

 JICAの新作DVD『横須賀・横浜・川崎から見た東京湾の170年』
*「不毛の攘夷運動」の途中ですが、新着の割り込み記事です

 日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関として、開発途上国への国際協力を行っているJICA(独立行政法人国際協力機構) が、共同テレビ社に発注して昨年から制作したDVD「横須賀・横浜・川崎から見た東京湾の170年」が完成。東善寺も制作に協力したということで、送られてきた。

 その内容が、「ラストサムライ小栗忠順の志を継いで、浅野総一郎(浅野セメント)は東京湾に大型船が直接着岸出来る波止場兼工場用地を建設した…いま京浜工業地帯の中心地となっている」というストーリー。

 東京湾は遠浅のため、沖に停泊させた大型貨物船から艀はしけによって荷物の積み下ろしをしているのは能率・経費から適切でない。浅野総一郎はこのままでは世界の大勢から遅れてしまうと考え、川崎から鶴見-横浜の海岸沿いに大型船が直接着岸して作業が出来る波止場兼工場用地を、「石も土も石灰石も国内でまかなえるセメント」で囲った中を浚渫による埋め立てで建設することを決心。そんな大事業は国がやることだ、という反対に「国のためになることを国ができないなら自分がやる。この身が終っても、将来役に立つ仕事をしておく」「国家百年の計」だと邁進した。
 
 浅野の言葉の原点に、横須賀造船所建設を提議・推進したラストサムライ小栗忠順の「幕府は終わっても、日本は続く」「(横須賀造船所という)土蔵付き売家になればいい」と語った志があった、と観ていて胸が躍るストーリーが展開する。JICA横浜センターでは海外からの港湾技術研修生教育の教材として制作し、2023年はペリー来航から170年なので、幕末明治の港湾技術の歴史を紐解く内容とした、とのこと。一見をおすすめします。
 
 ◆DVDは、東善寺で見られます。またJICA-NetライブラリのYou-Tubeチャンネルでまもなく公開の予定。

本紙2611号(2023年4月27日付)掲載





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