ケヴィン山内の英語まめ知識
マニフェスト manifesto (2)
manifesto と manifest は違う。前回は例によって語源と微妙なスペリングの違いと発音の違いも説明した。イギリスなどの議会選挙では、党の公約をparty manifesto又は the manifesto of party と称した。アメリカの大統領選挙では party platform と呼ばれている。ついでに platform は駅のプラットフォームの他に政党候補者の綱領、政綱の宣言を意味します。
さてこのmanifest〔mǽnifest〕だが、 前号で述べたようにオリジンはラテン語でmanifesto と同じだが現代英語では意味が少し違う。意味は「明らかにする、判然とした、証明する」。他に名詞では積荷目録、乗客名簿(特に航空機)などがある。筆者も若い頃はいつも仕事で航空会社へ電話してマニフェストを調べたものです。他に、感情が表に出る、とか幽霊が出る(appear)などもある。上記以外にキリスト教関係の用例もあるようで、「米史」では明白な天命の意味を持ち、19世紀中頃からの思想でアメリカ西部への領土拡大は神の使命とするManifest Destiny という言葉もある。
私のキリスト教徒の友人達へも聞いたしもっと上の方々へも尋ねたが、本当の意味は判然としなかった。ご存知の方はFJ紙へご連絡下されば幸甚です。さて結論は、日本の政治家が口にしているのは本当はマニフェストウのことであって、後に述べたマニフェストではないということをご理解、合点して頂いただけたでしょうか。
本紙2009年9月7日付(2123号)掲載
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