社説 波紋
除夜の鐘
ゴーン、ゴーンと聴き慣れた音色は、少しばかり早い気もするのだが、その時は直ぐそこまで来ており、やがては訪れる。これまでに何回ほど聴いたのであろうか。除夜の鐘、一年に一回、日本の風物詩でもある。ところが、一部の地域では静寂な空間には騒音として鳴り響き、鐘打ちを禁止する場合もみられている。
なぜ、108回鳴らすのか。その諸説は様々であり、人の煩悩の数に例える説が最も有名かもしれない。四苦八苦の4×9の三六と、8×9の七二を足した数も当て嵌まる。できれば、避けたい例えになるのでは…
弊紙にとっては本年最終の日付発行になり、終わり良ければを思うと来年に弾みがつかない気も…。百八と表せば、百回、末広がりの良い事とも考えられる。捉え方、視線(点)を変えるなどと云われるが、ようは気の持ち方なのかもしれない。思い描く。前向きに取り組めば、どんな苦境も道は拓け、良い結果が得られるのではないであろうか。
[2019年12月27日付け本紙2494号掲載分]
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- 除夜の鐘 2020.01.07 火曜日