社説 波紋
チューリップ
チューリップ。この言葉から歌にもある赤、白、黄色などの綺麗に咲く花を思い浮かべる人が多いのでは。季節的にはまだ早過ぎるのだが、春に満開を迎えるためには、地域によって10月下旬より11月下旬、遅くても年内までに球根植えを終わらせておく必要があり、この時期を逃した場合には咲かずにみられなくなるとも云われている。
ただ、温室栽培方法の進化等によって季節に関係なく、いつでも咲かせることができるようだが、年中みられるものだとその価値に疑問が浮かぶ。チューリップはチューリップでも最近みかけなくなったのが、殆どが剥き出しの骨と片側の端には鶏肉の塊の形をする唐揚げが一つにあげられる。
以前はパーティ等で良く食べられていたものの、好みの多様化を要因としているほか、手羽を用いた下ごしらえに手間がかかり、また、輸入肉のモモや胸の他部位がコスト的に優れるなどの提供する側の諸事情もあって、全体的な機会の減少が需要の低下を招いたとの説がある。数年前のブームで増えた唐揚げ専門店でも前記の理由で取り扱う店は少ないとされているが、イベントが目白押しとなる年末年始に再び華を咲かせることができるであろうか。
[2019年12月17日付け本紙2493号掲載分]
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