社説 波紋
土用の丑「うなぎ」
土用の丑の日と言えば、ウナギを食べるーに結びつく場合が多いのでは。この大元となる土用とは立春・立夏・立秋・立冬の前18日もしくは19日間を示す雑節とされ、四季毎に迎えて年間にすると4回ある。その中に丑の日が含まれ、各季によって一の丑・二の丑が2回ほど巡ってくるケースなどから年間平均では約6日を数えるそうだ。
暑い夏を栄養価の高いものを摂取して乗り切る風習は安永頃から始まったと言われ、由来の諸説は様々あるが代表的なものでは平賀源内の発案説がみられる。その内容は多少の違いはあるものの、知り合いのウナギ屋から夏場は商売がうまくいかない相談を受けた際に、店先に「本日丑の日」を書いて貼る提案がきっかけになったと。
ただ、現代に当て嵌めてみると、普段の食事において充分にエネルギーやビタミン等は補えているため、敢えてウナギから得る行為は医学的根拠に乏しいとも聞かれる。毎年2月の大口を空けて食する光景も浮かぶが、7月27日までは先になるが、約二五〇年もの間に受け継がれてきた習慣を味わうのも良いのでは。
[2019年5月17日付け本紙2472号掲載分]
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