社説 波紋
「令和」 を迎え
新たな元号“令和”となって、基となる万葉集の詩から解釈できる一つに「人々が美しく心寄せ合う中で文化は花咲く」を意味するとも聞く。ある曲を引き合いに説明する場面もみられたが、先日には同曲が平成期において音楽著作物使用料の分配額で最上位になったことが発表されている。
新元号への寄せる思いは千差万別、十人十色ではあるが、前記の意味を確かに捉えた姿勢は持ち続ける必要があると思われる。取り巻く環境は目まぐるしいスピードで変化を遂げているが、着実に一歩一歩進み小さなことから積み重ねていくことも大切とされる。最上位になった曲は、2003年3月の発売日から平成の半分にあたる歳月を刻み、多方面に受け入れられてきた結果とも想像できる。
長い年月を表現する言葉として“年輪”があげられるが、100年前にドイツ人が洋菓子のバウム(Baum=木)クーヘン(Kuchen=ケーキ)を伝来した記録が残る。当時からは原形が異なっているとも言われるが、日本で幅広く愛されてきたことに変わりは無く、一つ間違っていたら脱輪していたかもしれない。
[2019年5月7日付け本紙2471号掲載分]
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