社説 波紋
英国のEU離脱・・・
英国ショック。先の国民投票によってEU(欧州連合)から英国が離脱することを決定した。見方は様々だが、同連合における他の加盟国の動揺は隠せないようで、日本のみならず、世界経済に影響は新たな国際懸念問題になりかねないだろう。
正式離脱は2年後ともいわれて影響は中長期に及ぶものと予測され、自動車メーカー並びにエレクトロニクス等を筆頭に英国進出する日系企業にとっては、新たな心配の種が増えたことになる。
ある統計では、規模は大小みられるが約930社の企業を数え、EUという大きな経済市場において今後の展開の舵をどのように切っていくのか難しい判断に迫られる。
一方、国内をみれば、最大の経済市場である大都市・東京が揺らいでいる。今月末の投票日を迎える都知事選で、2020年オリンピック・パラリンピック開催の決定から、三人目の知事が誕生する。
一部には関連した特需の動きがあるとされるが、大方は実感のなきままに月日が過ぎ、大きな需要の話ばかりが先行する状況に嫌気をさして、いまや関連工事等の案件に対し、関係者からは静観の構えが窺える始末だ。
参議院選挙も加わり、オリンピック関連に限らずに国主導の公共工事をはじめ動き出すのは秋口からとの噂を聞くが、希望的憶測の要素も濃く実際のところは解らない。四年後に日本発の“東京ショック”とならないことを祈るばかりだ。
[2016年7月7日付け本紙2369号掲載分]
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