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社説 波紋

2015年 羊歳がスタート

 未年の2015年がスタートした。干支の羊は群れをなしての集団行動を好み、大人しく争いごとを嫌うなどから平和、安泰等をもたらす縁起の良い動物とも言われる。また、人類史上最古の七、八千年前から飼われている家畜の一説も聞かれる。

 人との関わりが長いことから、人々の生活には深く浸透して欠かせない役割を有する。毛は羊毛に、毛に付いている脂ラノリンは人間の皮脂に近い成分であって保湿クリームなどに。さらに肉はラム肉として、主にオスの肉が使われているようだ。このほか、1頭で30メートル以上の腸が採れるとされ、ウインナーソーセージの皮をはじめギター・テニスの弦に使われている。

 ひつじを指す漢字「未」は、枝が茂っている木ではあるのだが、まだ伸びきっていない部分を描いているとも。そのため、読みは「み」となって熟語に未来、未熟や未満などが。その一方で「羊」は正面からの角と上半身を、後ろ足までの全体像を表現したのが「美」とされる。

 前記でもあげたが、古くから家畜として親しまれて大変身近な動物であるため、中国では馬や牛や鶏など六畜の一つに…。羊がつく漢字も多数みられて、「翔」「善」「祥」「義」などと良い意味を持つ字体に用いられている。

 どのような一年になるのかは解らないが、周囲から見て常に「美」の感じられる振る舞い(姿勢)でなければ、来る福も逃げてしまうかも。間違っても羊質虎皮に見られぬように気を付けなくては。

[2015年1月1日付け本紙2315号掲載分]


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