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社説 波紋

オーベルジュ…新たな道を切り拓く一つのヒント?

 オーベルジュ。主に郊外・地方に所在し、こだわりの料理が堪能できる宿泊施設。その歴史は古く、フランス発祥で中世まで遡れるとも。日本に昔からある料理旅館とは異なるようだ。

 このオーベルジュだが、中高年層を中心に静かなブームとなっており、本家フランスの宿泊レストランの形態が日本独自の文化等から発展し、いまや日本料理をはじめ多彩な料理が提供されている。予約を取るのに数年待ちのレストランの元シェフ、自らが育てた米を食べて欲しい農家などと、こだわりへの強いオーナー、店主の思い具体化した様々なスタイルがみられる。その他にも工夫を凝らしたサービスが受けられ、体験者は高い確率でリピーターになっている。

 大半は一日に数組限定のシステムを取り入れ、その根底には如何に客が喜んでくれるか、満足してもらえるかを突き詰めた結果がある。手づくりならではの対応を踏まえたもので、差別化及びプレミア感などが相俟った至福のひとときを過ごせる。一概には言えないが、大量生産・大量消費から変化する市場にあっては、新たな道を切り拓く一つのヒントになるのかも…。

[2014年10月7日付け本紙2306号掲載分]


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