社説 波紋
年末の消費税率10%の判断・・・
円安傾向がジワジワと進み、輸出産業にとっては追い風のアベノミクス効果に取れているのであろう。しかし、恩恵を受けているのは一部の業界とその関係者だけであって、実質賃金は7月までの13ヶ月連続で減少との統計結果もみられ、国全体が潤っているとは言えない現状である。
円安の進展によって輸入物価の上昇が様々な影響を与えている。食料品関連からエネルギー(原油・液化天然ガスなど)と幅広く、個人はもとより企業にとっても何らかの形で負担は増加になっている。
個人消費の動きは経済発展に重要な役割を果たすとされるが、賃金の上昇が物価の上昇に追いついていない状況から、年末の消費税率10%の判断に影響を示唆する見方も。政権の安定は良いことなのだが、政府の来年度予算額の概算要求は合計100兆円超えに。無い袖は振れないのである。税収増を見込んで「宵越しの銭は持たない」と思っていなければ良いのだが…。
[2014年9月17日付け本紙2304号掲載分]
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