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社説 波紋

初めての原発稼働がゼロの夏2014

 梅雨明け宣言を受けた地域では、既に茹だるような暑さに包まれ、徐々に夏本番を迎え出している。東北地方は、もう暫くはといったところか。

 なん号か前に書いた冷夏の原因となるエルニーニョ現象は、日本列島への影響を及ぼすのは夏以降となって、西日本を中心に猛暑に襲われる予想へと変わった。

 自然が相手なのでどうなるかは定かではないが、いつもの夏と大きく違うのは2011年の悲惨な事故から初めて原発稼働がゼロの夏である。電力需給の逼迫等から、将来を考えての二極化した再稼働か、廃炉かの問題も大切なのだが、今年が“節電”の元年に捉えることはできないであろうか。

 既に自主努力を積み重ねて実践してきた経緯から、乾いた雑巾をこれ以上に絞ってもという企業も多くみられる。家庭も同じなのが現実かもしれない。政府も無理のない状態での節電を呼び掛けている。

 サッカーワールドカップでは、敗戦のゲーム終了後にスタジアムのゴミ拾いをする日本人サポーターの姿に世界から称賛が寄せられ、誇るべき文化遺産とまで言われた。当人たちにすれば、日頃の当り前の行動であった筈だ。

 企業の責任の一つには継続的な活動がある。小さなことを繰り返して築き上げ、一つ一つを確実におこなった結果が、成果へと実を結ぶ。節電への知恵、取り組みはまだまだこれからでは…


[2014年7月27日付け本紙2299号掲載分


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