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社説 波紋

駅ナカ

 駅ナカ、エキナカ。この語源には諸説あるのだが、鉄道会社が駅そのものの有する集客力や利便性に着目し、構内の通路に面した空間などの利用による商業スペースである。

 いまや、あっちの駅、こっちの駅と競うようにオープンし、飲食・書籍、衣料品にとどまらず多彩な専門店が軒を連ね、ちょっとしたショッピングモールにもみえてくる。

 エキナカの先駆け的存在といえば、立ち食いの駅そばもあげられるが、ホームに設置されたキヨスクなどの小さな店舗が代表的ではないか。ただ、この小規模店舗も一部地域では集客性・採算性の追求に、鉄道会社系列から大手コンビニエンスストアの主体運営に変わりつつある。

 駅利用者にとっては品揃え、価格も魅力的なものに。しかし、数百種類にもおよぶ商品単価を暗記して複数購入の場合でも瞬時に計算する職人芸が、ピッピッピッの機械音に変わってしまい、専門技術が消失する寂しさもあるのでは…。

[2014年4月7日付け本紙2288号掲載分]


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