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社説 波紋

ホトトギス

 目に青葉山ホトトギス初鰹。里や山、海にも初夏の快さはやってくるものだ―といっているようである。

 季節は知らぬうちに移りゆくというが「目に青葉…」と書き留めたことで、見落し勝ちな自然の変化を捉えてくれた、と実感する。

 もっとも、あと数か月もすれば道ゆく人が日陰を選んで歩くようになる。その事こそが季節の移りゆく代表的な具象例だ、と解く人もいる。

 初夏を告げる小鳥が「ホトトギス」だということも面白い話だ。ホトトギスは発展性を予感させる縁起の良さで文化人などから好かれてきた。

 正岡子規の俳句同人誌名もそれに因んで「ホトトギス」としている。ともあれそろそろ初夏を迎える昨今だ―。

[2013年4月17日付け本紙2253号掲載分]


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