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社説 波紋

6月の月例経済報告

 梅雨空も明けぬ中、西で豪雨の被害ありと聞くも、東では梅雨の晴れ間の洗濯日和を喜ぶ主婦ありと聞く。ともあれ7月に入ったが、景気は引き続き良い方向へ進んでいるようだ。

 6月の月例経済報告では各項どこを押しても「持ち直し」の連発。もっと言い様がないのかといいたい位「持ち直し」づくめだ。

 まず鉱工業生産など製造の現状を「緩やかに持ち直している」景気のカギを握る輸出は「持ち直しの動きがみられる」雇用情勢に深く係り合う企業収益は「持ち直している」そのおかげで設備投資は「緩やかに持ち直している」個人消費はエコカー補助金の政策効果等で「緩やかに増加している」 。

 いい事が出尽くしたあと、いささか気まずそうに「物価の動向を総合してみると、下落テンポが緩和しているものの、緩やかなデフレ状況にある」と結んでいる。果たしてこの先、夏の熱さが吉と出るか凶と出るか、景気の行方は暑さ次第だといえなくもない―。

 政府としても政策態度として欧州危機等のリスク対応を踏まえ、景気の下振れの回避に万全を期すと共にデフレ脱却、物価安定化に取り組むとしている。果たして先行き景気動向はどこに落ち着くだろうか注視したい―。

[2012年7月17日付け本紙2226号掲載分]


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