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社説 波紋

世界の景気は・・・

 世界の景気は日米をはじめアジア、ヨーロッパ等総じて現状は弱い回復となっている。まず、アメリカをみると、このところ緩やかに回復しており、先行きについてもこの基調が続くと見込まれる。ただし、高い失業率の継続や住宅価格の下落等により、景気が下振れするリスクがあること、また、このところの金融資本市場の動きや財政緊縮の影響には十分留意する必要がある―と政府も同様の見解を示している。

 アジアに目を向けてみると、中国では内需を中心に拡大していて、この先も程々の水準を保ちつつ拡大基調を維持しそうだ。ただ、中国においても不動産価格や物価の動向に加え、このところの金融資本市場の動きや、欧米向け輸出の動向に留意する必要があるということだ。その他のアジア地域では総じて景気は回復しているが、回復テンポが緩やかになっているのが気がかりで、先行きについても緩やかな回復傾向が続くというものの、それ以上は予測しがたいところとしている。

 そのアジアの景気の鍵を握るヨーロッパはというと、概観すれば「景気は足踏み状態にあり、一部に弱い動きもみられる」と政府の見解どおり、諸国の財政緊縮による影響や全体的に高い失業率が継続しているなどで、現状も先行きも芳しくない。とくにユーロ圏の現状を見回してみると、GDPの伸びも昨年9月期くらいまでで、その後は足踏み状態で、景気は当面弱めの動きを続け先行き低迷の恐れも十分…ということだ。

[2012年2月17日付け本紙2211号掲載分]


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