社説 波紋
設備投資計画を押し上げるに足る材料は・・・
産業動向と深い係わり合いをもつ民間設備投資計画、この数年暗いトンネルを抜け出せずさ迷い続けている。
今年度も計画自体は4年ぶりの増加としているが、上向きかけてすぐに落ち込み始める、その繰り返しの状況だ。
それというのも、世界の景気が長続きしないため「輸出」に長期安定拡大の見通しが立たず、民間企業ではどこも設備過剰感を警戒して設備投資には消極的。輸出市場を見渡してみてもアメリカでは景気の回復は弱く、むしろ下振れするリスクありとさえ言われている。中国も金融資本市場の動きや物価動向などに留意しろと言われ、欧州も景気回復力は弱い―など暗い影を落としている。
設備投資計画を押し上げるに足る材料は世界中どこを探しても見当らない。
[2011年12月7日付け本紙2204号掲載分]
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