社説 波紋
平成22年工業統計調査(経済産業省)
昨年12月末に経済産業省が実施した22年工業統計調査がまとまり先日同省が公表した。
それによると、22年のわが国の事業所数(従業者10人以上)は12万4千件で、従業者数は約6百96万人。製造品出荷額は約2百90兆円ということだ。
一昨年に事業所数が前年比1万件減、従業者数が同約53万人減、出荷額が68兆円減といずれの項目も大きく水準落ちしている。そのあとをうけて昨年も、その水準落ちに付き合う如く事業所数も減り、従業者数も減った。しかし、出荷額の項目は増加であった。21年の業績が悪過ぎたため、それとの比較なのだから当り前といえばそれまでだが…22年は後半に景気が持ち直しに転じたこともあり、8%ほど業績を戻したということだ。
業種間の明暗も分かれているが、人間にとって大事な物、食べる・着るの2業種(食品、繊維)で事業所数・従業者数の減少を露呈している。もっとも、工業に不可欠の金属部品も事業所が減ったというのが22年の特徴だが、震災前の統計なので輸送機械や鉄鋼、電子機器などの業種で出荷額は堅調に推移している。
[2011年10月27日付け本紙2200号掲載分]
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