社説 波紋
コイルセンター業界の設備過剰構造が表面化・・・
鋼板や帯鋼等の剪断加工~販売を主な事業としているコイルセンター業界が、ここ数年の間に大きな曲り角を迎え、殊に設備過剰構造は当該主力メーカーにとって最大の深刻事態だと受けとめられる下で、日鐵商事の100%子会社「日鐵商事コイルセンター株式会社」と、同じく100%子会社の「大阪鋼板工業株式会社」および三井物産グループの「株式会社三井物産コイルセンター」の以上3社が合併する形で産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法に基づく「事業再構築計画」を経済産業省に提出、9月26日付で認定を受けた。
事業再生に向け日鐵商事コイルセンターが他の2社を吸収合併(大阪鋼板工業と三井物産コイルセンターは消滅会社となる)して、1、有形固定資産回転率を60%向上させる。2、製造原価を平成22年度に比べ同25年度には六・三%削減する―との2大目標を掲げ、10月中にも計画の実行に入るということだ。
かつての結構ずくめの業界の意気軒昂なやり取りが今でも思い出される。たとえば、前述の三井物産コイルセンターは三井物産グループの国内外の薄板戦略の中核コイルセンターとして、自動車関連メーカー向け加工業務を中心に業容を拡大してきた。しかしながら、リーマンショック以降の日本経済の停滞に加え、自動車・電機メーカーの海外シフトや国内の建設需要の低迷が続き、コイルセンター業界の設備過剰構造が表面化、思いがけない深刻事態に直面したということだ。
[2011年10月7日付け本紙2198号掲載分]
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