社説 波紋
平成22年度機械工業生産額=前年度比11.7%増
日本機械工業連合会がまとめた平成23年度の機械工業生産額見通しによると、23年度の機械工業生産額は前年度比〇・八%増の69兆3、286億円となる見通しとしている。
これについて同連合会は「前年度末に発生した東日本大震災による甚大な被害により回復過程を辿っていた生産への下押し圧力が強まった。震災による部品を中心としたサプライチェーンの寸断や電力不足による生産減で設備投資も抑制気味に推移。また消費者マインドの悪化による個人消費の下振れや雇用情勢も持ち直しの動きに足踏みがみられるなど、景気全般に厳しい影響を与えている」として、その他(原油等の資源価格や円高の動向等)の要因を含めて、当面先行きの不透明感が拭いきれないものの、サプライチェーンの復旧が前倒しで進んでいくことや、新興国経済の改善などによる輸出の伸び等を勘案すれば、年度後半からは復興需要が本格化するなど景気は徐々に回復軌道をたどるものとみられると見通している。
また、22年度の機械工業の生産動向については、前年度からの各国政府による景気対策の効果や中国・アジア等の新興国を中心とする海外経済の回復に伴う輸出の増加、国内ではエコカー減税・補助金、家電エコポイントなどの政策効果による押し上げ、その他猛暑等諸々の効果に支えられ、生産は緩やかに持ち直した。更に、企業収益の改善や設備投資の持ち直しも見られ、輸出関連、景気対策関連がらみの機種を中心に増加した。
こうした中で平成22年度の機械工業生産額は前年度比一一・七%増の68兆7,777億円となったーとしている。
[2011年8月7日付け本紙2192号掲載分]
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