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社説 波紋

自然の営みは有難いものなれど、時にして恐ろしいものに

 先日、所用でローカル線に乗って地方へ出た。だが例によって余震の影響で列車はストップ。でも車窓の外を見ると一帯の水田はどれも田植えを終えていて、水面に顔をのぞかせる早苗が風に揺れ、それは目が見え始めた赤子のはしゃぐ姿を見るようで、加えて、車両の窓を開ければ新緑を浴びた心地よいそよ風が心を癒してくれる。

 自然に接し、自然の恵みの有難さを実感して思わず「夏も近づく八十八夜野にも山にも若葉が繁る…」といった詩が口を突いて出る。でも、自然の営みは有難いものなれど、時にして恐ろしいものに変身する。至近の例が東日本大震災であり、大勢の尊い命を一気に奪い去ってしまう。

 そういう暗い面はさておき、自然と毎日付き合う習慣の裏技的天気予報を介しての自然との対峙もよかろう。何んといっても時候は梅雨からやがて小暑に入るという訳だから所謂「明日の天気は晴れ、それとも雨」ということで観天望気の例題を二、三拾ってみた。

 まずはスタンダードな「朝焼けは雨、夕焼けは晴れ」即ち低気圧が接近中で高気圧が東にあれば朝焼け(雨)、西にあれば夕焼け(晴)ということだ。同様にもう一つ「いわし雲が出ると雨になる」即ち、いわし雲とは低気圧の周辺に出来るからだ。更に「入道雲が出ると天気が続く」即ち、高気圧の真っ只中にいる証拠だから。

 釣り人向けには「朝雷に川渡りするな」即ち、朝のうちの雷は前線に伴うものが多く、集中豪雨の恐れあり。帰路の増水に要注意としている。


[2011年6月7日付け本紙2186号掲載分]


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