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社説 波紋

世界中が今回の原発事故の教訓をどう活かして・・・

 天災は忘れた頃にやってくるというが、別に阪神大震災を決して忘れてはいないが、前述の格言を思い起こすが如く「東日本大震災」が突然やってきて大きなツメ跡を残して去った。

 地味な土地風土に純朴な人柄のお年寄りの姿が浮かぶ岩手や宮城が何是!と大勢の声が聞こえてくる。地震・津波・原発事故という複合要素が戦後最悪の事態(結果)をもたらしたといえる。地震の衝撃で家や命を失ったわけではなく、波にすべてを浚われたのである。戦後の焼け跡を見ているようでもあり、いやそれ以上に悲惨な有様というべきかも知れない。

 そればかりか、原発事故は道ゆく人たちも「あれは余計だった」と口々にする。とはいえ、原子力発電に頼りきっている現代社会にとって一概に余計扱いはできまい。世界中が今回の原発事故の教訓をどう活かすかはこれからのことだが、津波さえなければ…という解釈もできることから、人の噂も七十五日というから時間が経てばその解釈が生きてきて、原発建設はせっせと再開されるのではなかろうか。

 それにしても、戦後最悪という今回の災害地のみなさんには心より同情申し上げ、加えて犠牲者の方々には衷心より哀悼の意を表します―。                         
[2011年3月27日付け本紙2179号掲載分]


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