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社説 波紋

現代のニッパチ・・・

 昔の人はよく「2月は寒いから、8月は暑いからモノが売れない…」とあきらめ気に、2月、8月の不景気月をニッパチ(2、8)といって情勢的に忌みきらったものだ。今日、冷暖房装備の完全下で寒いとか暑いとかに無頓着な現代人に言わせれば「ニッパチなんて信じられない…」と突っ放ねられそうな陳腐な事かも知れない。

 ところが、ニッパチなんて馬鹿みたい…と笑うのは現代人だけではない、現代景気情勢も笑っているかも知れないのだ。というのも、2月の月例経済報告(景気判断)では「景気は持ち直し、足踏み状態を脱しつつある」として、1、輸出・生産は持ち直しの動きがみられる。2、企業収益は改善している。設備投資は持ち直している。3、企業の業況判断は慎重さがみられるが好転している。4、個人消費は横ばいで、物価は緩やかにデフレ状況にある―ということだ。

 加えて、海外経済に目を向けてみても結構づくめの情勢判断である。「世界経済は全体として回復している。先行きについては回復が続くと見込まれる」として1、アメリカは景気は回復している。2、中国では、景気は内需を中心に拡大している。先行きも拡大傾向が続く。3、ヨーロッパ地域では、景気は総じて持ち直している。ニッパチ的情勢判断視するなら、日米欧の先進地域での共通悪といえば「失業率の高止まり」ということになりそうだ。

[2011年3月7日付け本紙2177号掲載分]


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