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社説 波紋

自動車関連産業の加速する海外生産動向・・・

 自動車にしろ電機にしろ国内生産の伸び率は年々縮小傾向にありその分以上に海外生産比率が拡大してゆく日本の産業動向である。ねじメーカー各企業の営業担当者も海外生産主導のユーザーの動向を嘆く。

 先行きに対する担当者たちの最大の心配事は国内の空洞化内需の減少等である。海外展開の成果で業績を伸ばすほか現状の大幅アップ化は難しいとみるからだが、そこにはそれ相当のリスクもついて回るので、そのことを考えるから、心配事の二重映しというのが今の心境のようだ。

 海外化に追随できないとヤバイとするのは一番に自動車関連だ。グローバル生産の大きな部分は海外生産が取って代わってしまった昨今、トヨタ向けもホンダ向けも海外拠点の存在は大きな意義をもつ。おまけに近年は中国だインドだと二世代市場として脚光を浴びている方面にも目を向けなければならない。

 自動車部品各社の業績をみても利益良好な企業は国内業績が不振でも海外の伸びでそれを補っている。国内が新しい商品で活気を取り戻すまでどう持ちこたえるか、そこで海外展開の成果が生きてくる。国内は少量多益の営業で業績の充実化を図り、海外は産業社会の活性化に乗ってうまく利益を上げる―そのような産業界の流れが定着することになろう。

 既にその動向は、きのうきょうのマスコミの間で現実のものとして取り沙汰されている。


[2011年1月17日付け本紙2172号掲載分]


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