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社説 波紋

注目の自動車生産と鋼材

 トヨタ自動車が昨年暮れに公表した2011年の生産計画によると、国内生産が前年比五%減の三一〇万台、海外生産が同六%増の四六〇万台で、合わせてグローバル生産が同一%増の七七〇万台。海外生産増の寄与により、かろうじてプラスにとどまったと受取れる数字である。

 その後暮れも押し詰まった27日、経済産業省が発表した今年1~3月期(22年度第4四半期)の鋼材需要見通しでは、国内需要の減少を輸出で補うものの前年同期比〇・三%減の二、四二二万トンとしており、僅かだがマイナス見通しだ。主力の製造業向けが期待薄で、特にエコカー補助金の終了による国内販売が悲観的な自動車の足踏みがあらゆる部門に影響しそうなので、見通しの評価を下げた模様だ。ただ、建設機械の回復基調が継続することを主因に比較増との見方もあるようだがどうだろうかという向きもある。

 話題はトヨタに戻るが生産はともあれ、その裏付けとなる販売計画はというと、国内は前年比一七%減の一三〇万台、海外は同八%増の六四〇万台。グローバル販売七七〇万台(同一%増)は生産計画の数字と同じとなっている。2010年の販売実績見込みでは国内が同一四%増の一五七万台、海外が同六%増の五九一万台(合わせてグローバルは同七%増の七四八万台)と内外とも結構な数字ではある。同年の国内生産実績見込みも前年比一八%増の三二八万台としている。海外も同二二%増の四三五万台と共に二桁増となっている。

 因みにトヨタ系のダイハツ、日野両社の2011年生産計画をみるとダイハツは国内が前年比二%増の六七万台、海外が二一%増の一九万台、グローバル生産は六%増の八六万台としている。日野は国内二〇%増の一一万台強、海外一五%増の一万台強、グローバル生産は二〇%増の一三万台としている。

 自動車、電機、建築等ねじ需要分野は現状維持で推移すれば後半に期待できそうなので、ねじ需要動向は当面横ばいで凌いで徐々に回復の方向を強めるのではなかろうか―。 

[2011年1月7日付け本紙2171号掲載分]


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