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社説 波紋

欧米が晴れると中国アジア経済が雨模様となってしまう昨今

 最近の世界経済の動向について政府の指摘によれば「世界経済は失業率が高水準であるなど引き続き深刻な状況にあるが、景気刺激策の効果もあって、世界景気は緩やかに回復しているとみる…」としており、先行きについても今の基調が続くとの見方だ。

 世界の景気の軸ともいえるアメリカでは、失業率が高止まるなど下押し要因はあるものの政策効果もあり、景気は緩やかに回復している。わが国の輸出動向をみてもアメリカ向けは持ち直しており堅調な推移を続けそうだということだ。アメリカがよくなると、EU向け輸出も回復し拡大方向に向う。この傾向は最近とくに顕著となっている。

 それは中国を中心としたアジア市場の活発な動向に反発する風でもある。アメリカ、EU輸出の浮上が昨今の実勢なのに対してアジア市場は生産の減速などから弱い動きに変わりつつあるという。

 世界同時不況が景気の大きな落し穴になるのだが、これを埋める世界同時好景気というのはなかなかやって来ない。欧米が晴れると中国アジア経済が雨模様となってしまう昨今の状況である。いや、雨というより曇りにとどまっている状況だ。

[2010年12月7日付け本紙2168号掲載分]


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