社説 波紋
この先を展望して・・・
輸出、設備投資、個人消費と景気を支える三要素が揃い踏みして日本経済も成長率を上方修正する情勢となってきた。第一要素の輸出はアジア新興市場の好調と中国向けの続伸に支えられ、更に最近では米国向けの回復、懸念されていたヨーロッパ向けも増加に転じはじめている。
中国では1兆円規模の投資や自動車・家電の購入支援策等の景気刺激策の効果もあり、景気は内需を中心に拡大している。今年1~3月期のGDP成長率は11・9%増となっている。インドでもそれに次ぐ同期8・6%増である。シンガポールやマレーシア、タイも景気が回復している。
ユーロ圏も失業率が高水準であるなど深刻な状況にあるものの、景気は下げ止まったとしている。1~3月期のユーロ圏のGDP成長率は前期比年率0・8%増とプラスに転じた。
米国向けを含めすべての主要地域で先行き増加基調で推移しそうな「輸出見通し」から、景気は安定成長基調を維持しそうである。勿論、国内生産が上向けば設備投資を押し上げることになる。その期待でこの先を展望したいと思う。
[2010年6月27日付け本紙2152号掲載分]
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