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社説 波紋

開びゃく以来の低水準も・・・

 景気の推移の決め手となっている「輸出動向」と「民間設備投資」のうち、輸出は「上向き」の状況を続け国内製造業の活性化をもたらしている。この安定基調が景気回復の牽引役をつとめてきたお陰で、一昨年来から底を這いずり回っていた日本経済は沈没を免れたのだ。

 生産活動が上向き、個人収入も増え、個人消費が回復し、本題の底ばい状態の景気も徐々に底離れして、いよいよ本格回復の時を迎えた―とするのが本年の幕あけだった訳である。

 本年春過ぎに製造業の生産水準は、ついきのうまでの「開びゃく以来の低水準」とさげすまれていた評価が嘘のように、自動車も電機も生産実績が前年同月比2倍以上の増加を示す車種や機種が目立つなかで景気回復を実感した次第である。

 だが景気回復の決め手たる「設備投資」はというと、まだ春さきの政府の「月例経済報告」では“依然低調な推移が続く”との底ばい状態に閉口したものだ。景気の低調感を引きずる最大の要因は「建築着工」と「設備投資」のふがいなさからきていたといってもよかろう。その建築着工も昨今はプラスに転じている。

 残るは設備投資の回復(上向き)だけではなかろうか。機械受注の神様が「お待たせしました4月の受注額は前月比で四%増の7619億円となりました」とお告げになり、「持ち直している」との判断もつけ加えてくれている。

[2010年6月17日付け本紙2151号掲載分]


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