社説 波紋
自動車関係部門は景気回復下で各社攻めの経営が顕著・・・
景気回復過程の昨今、自動車業界の動向から次の二点を取り上げてみた。
一つは景気が冷えきった一昨年から、徐々に回復の動きを見せはじめた昨年後半、そして回復の動きが定着し始めた今年前半。方々で前年に比べ生産実績が大幅増を示し、景気回復を確固たるものとした中での自動車生産。日産自動車の例を取ってみると、今年3月の生産台数はグローバル生産が前年同月比八五%増。2009年4月~2010年3月の年間台数が同七・八%増とプラスに漕ぎつけている。もっとも、国内は二・四%減で前半の低調さを写し出している。中国生産だけ五八%増と突出しているのが特徴だ。
もう一つ自動車産業の動勢から言うなら、静岡の富士機工が中核的事業である自動車部品の製造・販売事業について製造原価の低減などを図るとして経産省に「事業再構築計画」を提出し、認可されたこと。ジェイテクト(トヨタ系)などと関係を持つ同社は更なる前向きの姿勢を強化する。自動車関係部門はこれを一例として、景気回復下で各社攻めの経営が顕著となろう。
[2010年5月17日付け本紙2148号掲載分]
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