社説 波紋
3月の月例経済報告では大企業・中小企業で温度差
景気は着実に持ち直しているが、なお自律性は弱く失業率が高水準であるなど厳しい状況にある(財務省)輸出が増加しているので国内生産は持ち直している。従って企業の収益は改善を示し、設備投資は下げ止まりつつあるとしている。
大企業筋では大方の業況判断が「一部に依然として厳しい見方があるものの、全体としては持ち直しの動きが続いている」と述べているしかし、中小企業では先行きについては「慎重な見方が全体を支配している」といい、3月の月例経済報告では大と中小とでは景気の現状に対する判断は大部差がありそうだ。
経済産業省の各地域の局長級の経済会議の報告では、各地域の景気は「厳しさが残るものの穏やかに持ち直している」とし、引き続き生産面には持ち直しの動きが顕著としている。しかし、雇用情勢は依然きびしい状況が続く、とまだ手放しではよろこべない状況だ。だが、どちらも「持ち直しの動き」という言葉をよく使うものと閉口する。
この地域経済動向調査結果では、景気が持ち直している地域は中部二地域(東海・北陸)、近畿、中国、九州で、ほかはすべて横ばい。生産が持ち直しているという上昇基調の東海地域では「全体としては比較的速いテンポで戻りつつあるが、自動車のリコール問題など先行きに懸念材料も…としている。
[2010年3月27日付け本紙2143号掲載分]
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