社説 波紋
近年の輸入ねじ増加 2009年1月~12月の中国・台湾ねじ通関実績
輸入ねじの増加による国内メーカーへの影響はこの五年間で(目立って)顕著となっている。品質・価格だけでなく流通機構等にも(混乱等)及んでいる。かつてのアメリカでの「輸入被害」の騒ぎを思い出す。
中国だの台湾だのと、国別でコキおろすつもりはないが、いずれにせよその方面の製品とすることはできよう。昨年一年間に中国から鉄製ボルトは約6万トン(約九十億円)輸入されているし、国内生産廃退の木ねじでは台湾から約1万トン(約二十九億円)と輸入増大の現状にある。
価格がピンからキリまであって、品質についても危惧されるものもあって、無闇に飛びつけないものの、それら一握りの物を除けば、順調に輸入拡大が続く日本のねじ市場である。三年前には中国からの鉄ボルトが通関実績から単純計算でトン当り15万円台(台湾17万円)だったが、中、台ともに三割程度価格上昇を示している。
因みに中、台からの輸入価格(21年1~12月通関実績、トン当たり金額)を列挙してみた。1、コーチスクリュー=中国19万7千円、台湾17万9千円。2、木ねじ=中21万2千円、台28万円。3、タッピンねじ=中20万3千円、台30万4千円。4、ステンレス鋼製ボルト=中55万6千円、台57万円。5、鉄鋼製ボルト=中15万2千円、台17万4千円。6、その他のねじ=中30万6千円、台35万1千円。7、ステンレス鋼製ナット=中75万8千円、台75万7千円。8、鉄鋼製ナット=中23万円、台34万円。
[2010年2月27日付け本紙2140号掲載分]
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