社説 波紋
トヨタ・日本相撲協会・民主党それぞれのギモン
ハイブリットカーで人気沸騰中のトヨタ「プリウス」がブレーキの不具合からアメリカでリコール騒ぎを起こし、天下のトヨタ自動車に激震が走った。この騒ぎは同社の今後の販売台数に大きく影響しそうだ。
トヨタの2010年の販売計画をみると、同社の海外販売計画は前年比五%増の五九〇万台とそこそこの数字だが、前年実績は一四%と2桁減の五六〇万台と低調だったので、これに対比した今年の計画台数は海外販売が圧縮された格好だ。
因みに2010年トヨタの販売計画はグローバル販売七四〇万台(前年比六%増)、うち国内一五〇万台(同九%増)、海外五九〇万台(同五%増)果して、スンナリ計画どおりに行くかどうか微妙なところだ。プリウスは台数的に嵩を占めるので、台数ベースでの計画(販売台数)表示においてはかなり足を引っ張ろうから結果が心配されよう。
同じ時期、相撲界にも暴力沙汰での横綱へのリコール問題が発生した。この方は前者プリウスとは違い部品を取り替えればよいという訳にもいかないので、首の据え代えという方向で決着しそうであったが、土壇場で横綱の方から引退を表明してしまい、事態は不透明な決着となった。しかし、こちらもトヨタ同様日本相撲協会においても、興業その他人気等が思ったように良い流れを保てるかどうかは大いにギモンとしたい。
もう一つ「小沢幹事長の件」は、検察の能力不足なのか不起訴ということで幹事長へのリコールは避けられたとしている。この方も小沢氏、ならびに民主党にとっては、先の選挙戦勝利直後の意気込み通りに順風満帆の航海ができるかどうか大いにギモンとしたい。
[2010年2月17日付け本紙2139号掲載分]
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