社説 波紋
二期連続で上昇も100%超えは・・・
今年7月~9月期の鉱工業生産は前期比で7・4%と二期連続で上昇となった。周知のとおり低迷を続けていた自動車産業が目を覚ましたため周りの産業も目覚めたことで、夏場以降製造業が復活した次第である。
とはいえ、昨年以降の大幅な売上高の落ち込みに人件費等固定費の過剰・削減の後手現象で損益分岐点の100%超え、企業収益赤字化は止まらないまま越年した訳である。前期(21年4~6月期)にあっても、大企業、中小企業とも回復の兆しは見られたものの低い水準にとどまったため損益の分岐点は一向に改善をみせていない。製造業の設備投資も減少基調のまま、日和見感の推移となっている。最近の経済産業省の調査結果では、生産(1、売上高前年比)と収益(2、総資本経常利益)が設備投資(新設設備投資比率)への因果性の有無を企業別、業種別に検証した結果「大企業では、新設設備投資比率への因果性が確認された業種は前期の1と2が共に大きく現象しておりバブル崩壊後、因果性が弱まっている状況が推測される」という。
景気が悪いから、あるいは売上が落ちているから設備投資を控えている訳ではない―という新次元に突入してたということなのか―。
[2009年12月17日付け本紙2133号掲載分]
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