社説 波紋
10月の月例経済報告でも
製造工業の生産レベルは大部上がってきているが、まだ高水準とか本格化という表現はできない。政府の10月の月例経済報告でも、景気は持ち直しているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど、依然として厳しい状況にある―としている。
輸出がアジア向けの増加で、メーカーサイドの受注は調子が戻りつつあるという。機械や自動車部品の下請サイドでも回復基調が続いているという。もちろん、全体の動きを示す鉱工業生産をみても総じて持ち直しの動きが続くと判断されている。
この情勢下でも、企業収益は大幅な減少が続いており(そのテンポは穏やかになっているとはいえ)このため景気を押し上げる三本柱のうちの「設備投資」がパッとしない。生産が堅調に回復している中で鈍いの一言に尽きる。
曰く、鳩山政権の経済運営を不安視する経営者も多く、設備投資と新政権とを切り離して自己責任的見地から設備投資を検討しているため、動向が前進しないのだという。
[2009年11月27日付け本紙2131号掲載分]
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