社説 波紋
電池を制する者、自動車を…
今年の自動車販売台数が当初の予定より約百万台増え。ねじ業界の最大のユーザーが自動車や自動車部品メーカーなのだから大いに歓迎すべき情勢といえよう。
販売計画が上方修正されることは当然生産計画も上方修正されるということなので、単純に評価すると今年度この関係の需要は約3%~5%程度は増加するということになりそうだ。といっても「落ち込んでいた注文が回復するだけで、増えるということではない」と理解してくれと言われた。
そもそも昨年の自動車の国内生産は最悪の一割以上の落ち込みとなったのだから、今年が当初計画より3%程度増えたとて低水準域から脱出するということではない。以前の温もりに浸かるにはまだ相当時間が掛かりそうだ。
エコカー減税など政策の後押しくらいでは、以前の温もりには浸かれない。それは新たな技術開発による新製品・新商品の登場を指す。超環境対応車、電気自動車を軸とする自動車新時代の到来にほかならない。そのレースはすでにスタートが切られ、第一関門の「電池」レースで鎬(シノギ)を削りはじめた。それは正に「電池を制する者、自動車を…」だ。
[2009年11月17日付け本紙2130号掲載分]
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