社説 波紋
政府8月の「月例経済報告」では・・・
政府が先日発表した8月の「月例経済報告」(内閣府)では、我が国経済の基調判断として「景気は、厳しい状況にあるもののこのところ持ち直しの動きが見られる」と前置きして、(1)輸出、生産は持ち直している。(2)企業収益は、極めて大幅に減少している。設備投資は大幅に減少している。(3)雇用情勢は急速に悪化しており、厳しい状況にある。(4)個人消費はこのところ持ち直しの動きが見られる―と、つかみどころのない判断を並べている。
この判断では、経済動向と景気動向が噛み合わないから報告を読んだ多くの人が「理解に苦しむ」との反応を示した。現状の経済・景気動向の判断としていえることは「需要」と「供給」のバランスから判断して、まだ大幅に「供給」側の指数が大きい。1業種10品目あるうちの7、8品目が供給過剰の状況にある。それほど現状は最終需要が伴っていないということだ。
したがって、目先のいくつかの(目立った動きの)動向を現状の大勢だと受け取るから、前述の政府のつかみどころのない景気判断となってしまうのである。とにかく、需要のバランスのとれた安定経済へ向けての生産回復・消費拡大が待望して止まないところだ―。
[2009年8月27日付け本紙2122号掲載分]
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