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社説 波紋

7月終盤の列島模様・・・

 夏の暑さがいよいよ本番に入って連日30度を越す猛暑が続いている。暑さは凌げても豪雨には閉口させられる。裏山が崩れ土砂が流れ込んだといった惨事が相次ぎ、天災が猛威を振るって止まない7月終盤の列島模様である。


 天災は忘れたころにやってくるというが、昨今は天候の異変ときたら「突然」やってくるので始末におえない。それも極めて短サイクルとなってきた。天災の被害が景気の足を引っ張るから景気が長持ちしなくなった。景気循環も短サイクル化しているようだ。

 景気動向のカギを握っているのは「個人消費」「設備投資」「輸出」といったところだが、このところ個人消費も経済対策の効果もあって持ち直しているようだ。指標の要となっている新車販売台数の増加基調から判断して、消費マインドは7・8月と上昇を続けるだろう―といわれており、個人消費の先行き見通しは良好だ。

 他方、輸出はというと、アメリカ向けやヨーロッパ向けが下げ止まったことや、アジア向けの輸出増加で概ね持ち直してきたという。経済調査機関も「世界的な在庫調整の進展」を背景に持ち直しの動きが続くとみられるとしている。

 ただ「設備投資」の現状は極めて弱含みで、機械設備投資の出来を探る資本財出荷は大幅に減少しており、回復に手間どりそうだ。設備の過剰感は払拭されず、機械受注や建築工事予定額などどれも減少過程の中としている。先行き一層の減少が懸念されるということだ・・・。

[2009年8月7日付け本紙2120号掲載分]


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