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社説 波紋

新社長の手腕に期待!

 営業損益2期連続赤字転落―と曽つてない業績に直面する中、トヨタ自動車の豊田章男社長が就任会見で、攻める分野と退く分野を見極める―と利益最優先の意気込みを吐露した。

 今まで世界中で辺り構わず車種を増やして攻め続けてきたトヨタ。しかし、オカメ八目で外から見ればそれがどれほどマイナスかという事が歴然である。新社長はその辺りに施策の目を向けて「欧米など成熟市場では車種を減らす。新興国市場では低価格車種を増やす」と、大小すべての車種を地域に関係なく同じように販売するやり方を変更するということだ。

 とは言え今までに市場ニーズを無視して、売り手側ワンサイドの商売をしてきた訳ではあるまい。言うは易いが、果たして最適の新しい方向性が生れ育つだろうか。市場拡大に向けての車種の開発と、更に300万台に及ぶ余剰生産能力の吸収という2大要件を背負って、新社長の手腕が試されるときだ―

 幸なことに環境に優しいエコカーの幕あけが新社長に味方してくれる。生産能力は削減するのではなく、新しい(エコ分野)方向を目指すなかで生かしたいとしている。

[2009年7月7日付け本紙2117号掲載分]


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