社説 波紋
「5月の製造工業生産予測調査」によると・・・
5月は各団体の通常総会が開催されていて、それだけに集まった人たちの近況が聞かれ業界の現状・動向のアウトラインを知ることができる。
これまでの動向が悪かったせいもあるが、最近では「受注は回復しつつある」と、新年会のころの感触とは違い業況が改善の方向に動き出したといったところだ。ねじ業界は自動車産業の影響が大きいのでこのところの、エコカーニーズに先導された市場の活性と経営環境の好転は業界に光を与えたといえる。
輸出の下げ止まりを反映して鉱工業生産も持ち直してきた。経済産業省の「5月の製造工業生産予測調査」によると、輸送機械工業の28・5%の上昇(前月比)を筆頭に鉄鋼・金属・電機など主要業種の生産活動は上昇に転じている。6月の生産も続伸ということだ。
といっても、水準的には喜び半分といった程度のものだが「悪いより増しだ」と下請けメーカーの人たちは改善の方向を持ち続けてほしいと願って止まない。アジア向け輸出は好転しているが、米国・欧州は悪いままだから、輸出の持ち直しに頼る国内生産はこの先まだ不安が残る。
[2009年6月17日付け本紙2115号掲載分]
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