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社説 波紋

7月ごろには回復の動き…と明るい話も聞かれる昨今だが

 自動車、電機業界の在庫調整はほぼ進展中で、そろそろ在庫も片付こう。減産幅も圧縮されて、関連部品の需要は7月ごろには回復の動きが出始めそうだ…と明るい話も聞かれる昨今、とある団体・企業のトップが、きわめて控え目ながら前向きの見通しを口にするあたり、気温の変化を感じ始めている―と想像する次第だ。

 先日、新日鐵の宗岡社長も鉄鋼連会長談話として「今の需要も7月には回復に転じよう」と延べ、回復の規模は大したレベルを望めないものの需要サイドの在庫調整進展を指摘していた。トンネルの出口に僅かに近づいたといったところだが「期待感に水を差すようで申し訳ないが需要が水準を取り戻すには大分時間が掛かりそうだ」と脇から悲観論が飛びだす位、先行きは不透明。

 景気も三寒四温を経て温もりを増す過程に入ってもらいたいところだが、鉄鋼業界では「へたすると粗鋼1億トン割れもありうる」と慎重な展望をのぞかせており、期待と現実の間でこの先どのように推移するのか見守りたいところだ。

[2009年4月7日付け本紙2108号掲載分]


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