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社説 波紋

曽って経験したことのない不況―と騒いでいるが

 曽って経験したことのない不況―と騒いでいるが、お年寄(と言っても少なくなかったが)にいわせれば「不況・恐慌の類はこんなものではないよ」と言われそうだが、今の経営者にとっては現下の不況は「かつてなかったもの」と言わざるをえない事なのだ。

 それだけ経営者世代が二世・三世へと代替りしたということだろう。同時に消費市場の多くも世代交替によって新しい消費構造が生まれ育った。油が高いから車に乗らない。フトコロが淋しいから外食を控える。この程度の社会情勢の下で生じた自動車不況とか食品産業不況等の現象、その根幹たるや昔の人たちの「かってない不況」に比べたら恐れるに足らない!といわれそうだ。

 というのが元気なお年寄の声である。複雑化した金融システムと、多様化が激化して止まらない投資システムで墓穴を掘った世界同時不況は“喝”だ。

[2009年3月7日付け本紙2105号掲載分]


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