社説 波紋
世界景気の下振れ懸念等から景気を更に下押しするリスクも…
世界同時不況で日本の最大市場のアメリカが崩れ、近年日の出の勢いだった中国でさえ大低迷の有様だから、輸出で息をついている日本経済は、じっと耐え忍ぶ時期に入った状況だ。
先日中小企業庁と金融庁との合同の中小企業金融に関する意見交換会でも現状窮地に追い込まれている中小企業者たちが血のにじむような実情を吐露していた。
とくに中小の製造工業部門で、これまでの過剰な設備投資で仕事をこなしてきた企業において厳しい状況がうかがえる。「このごろは受注するのがかなり難しい。また受注してもほとんど利益が出ない。年度がわりをひかえて昨今は資金繰りのために赤字覚悟の受注をするが、そのため赤字受注によりまた資金繰りが苦しくなる。その悪循環となっている」と言う業者。
それくらいならまだいい。今年に入ってパッタリ仕事がなくなった―という業者も増えていて話は切実である。「緊急保証制度を申し込んだが、保証協会の審査に時間がかかり過ぎる。直ぐにでも必要な要件なのに対応が適切でない…」という声も多かったようだ。
このほど公表された内閣府の経済報告によれば、景気は急速な悪化が続いており、先行き世界景気の下振れ懸念等から景気を更に下押しするリスクも…としている。
[2009年2月27日付け本紙2104号掲載分]
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