社説 波紋
中小企業はつらいよね社長さん・・・
またも景気の話かと言われそうだが、米国の景気減速、それを受けてのトヨタの生産計画下方修正でトヨタの下請城下町は秋を通り越して一気に冬が到来したような波乱に包まれている。
ライバルの日産自動車とて対岸の火事視どころではない。先日の日経新聞には日産自動車が米向けを主に生産している車種の減産(栃木工場)など、同社の腰折れ的な動静が報じられている。
あれもこれも悪くなっても、自動車だけは突っ走っていたのだが、自動車産業がこの有様なのだから、牽引車がエンスト起してストップしたら他の産業の後退は目に見えている。10月の月例経済報告も、景気は「弱含み」から「後退」に表現が変ったが、中小企業の間では一歩後退ならず、二歩も三歩も後退といってもよさそうだ。
とのかく、親企業は生産計画の下方修正を発表した翌日、機械メーカーに「先の発注済み分は凍結」と連絡している。中小企業は大企業の後塵にて、好況は大企業より遅くやってくるし悪化は大企業より早くやってくる。「男はつらいよねトラさんならず、中小企業はつらいよね社長さん・・・」。
[2008年10月27日付け本紙2092号掲載分]
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