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社説 波紋

今の経営危機を「チャンス」と…

 自動車業界の巨人と称された米国ゼネラルモーター(GM)が今月100周年の記念すべき節目を刻んだ。だが、大きな年輪とは裏腹に、最近のガソリン高や米景気減速という逆風下で経営危機の懸念は年輪以上に大きいという。

 大きいことは良いことだったのは一昔も二昔も前のことだ。大は小を兼ねない今の自動車。馬鹿デカイだけで油を撒き捨てる車に用はないだから天下はトヨタに味方してしまう訳だ。自動車業界の巨人は今やトヨタである。そのトヨタでさえ米景気の減速は大きな痛手といえ、計画の大幅な下方修正を余儀なくしている。

 何事にも柔軟に受けとめ克服してしまうトヨタが下方修正とは、唯事ではなさそうだ。GMの経営危機の懸念の大きさ、深刻さはうなずけるというものだ。環境対策・環境対応技術、新燃料車の開発・実用化―これらを総合的にクリアしてこそ新しい「巨人の時代」を迎えることになるのではないか。今の経営危機はそのチャンスと受け止めるべきだ。

[2008年9月27日付け本紙2089号掲載分]


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