社説 波紋
輸出が堅調でも原材料のコスト増分は…
製造業の生産は総合的には一進二退といったところか、次第に悪い方へ進んでいるようで、昨今の三寒四温とは逆の状況のようだ。外需頼みが鮮明の昨今、堅調な輸出が軟調な国内需要の穴を埋めている。だから輸出のない業種や企業では足元は相当冷え込んでいる―と伝え聞く。
最近の日機連大阪事務所の調査では、部品産業では輸出関連のものをやっている親企業からの受注見通しは「増加または横ばい」が見込めそうだとする下請企業数は85%を占め、堅調な景況が続きそうだとしている。一様に雇用を維持できるだけの仕事はあるということだ。
問題は引続き価格転嫁の課題である。前述調査結果を引き合いに出すと「原油・原材料価格の高止まりによる価格転嫁の状況」は、全くできない―27%、ある程度(20%以下)―38%ということで、大方がコスト倒れとしている。
[2008年5月17日付け本紙2076号掲載分]
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