社説 波紋
国内需給のうち、個人消費、輸出、設備投資は先行きに期待感…
桜の花も散り緑の葉にいろどられた公園が春から初夏への季節の移り変わりを告げている。そんな清々しい気分に水を差すようで気が引けるが、最近の景気の現状を政府に確かめてみると「回復の動きが足踏み状態にあるが、先行きについては改正建築基準法施工の影響が収束していくなか、輸出が増加基調で推移することで、景気は緩やかに回復するだろう…」と期待感をのぞかせ、新緑の気分を壊さずにいてくれた。
なれど「でもね、サブプライムローン問題を背景とするアメリカ経済の減速や、株式・為替市場の変動、原油価格の動向等から、景気の下振れリスクが高まっていることを留意する必要がある」といわれ、懸念材料が払拭されない下で今後どの程度景気回復が見込めるか、どう見守ればよいのか、新緑に陰を落とすような結論に「その先は聞きたくない」と座を外した。
統計数字を見て自分なりに判断してみると「輸出は緩やかに増加している」「企業収益は弱含みとなっているが、設備投資は概ね高位横ばいを続けている」「雇用情勢は厳しさが残るが改善の動きに足踏みがみられ、一方で、個人消費は概ね横ばいとなっている」「住宅建設は持ち直している」といった状況で、さして悪い状態ではないと思える。
国内需給のうち、ポイントとなる個人消費、輸出、設備投資は先行きに期待が持てそうな指標となっている点を注目したいと思うのだ―。
[2008年5月7日付け本紙2075号掲載分]
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