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社説 波紋

我が国の貿易相手国トップがアメリカら中国へ…

 日本の貿易相手国第1位はアメリカだった。どの業種でも―というより大方の業種にあって輸出仕向先はと問えば「アメリカ」と答えたはずである。そのトータルなのだから、日本の貿易の主軸は輸出主体の日米貿易が長年のトップの座を守ってきた。

 この日米間の神話がうちくだかれたのだから「時の流れは歴史をつくる」という、正にそのとおりである。今日では日本の貿易相手国のトップの座は、中国がアメリカを抜いて(暦年ベースで)その座に就いた。それだけではない。日本が中国に期待するのは1つや2つではない。

 好調な中国経済により、日本製品(車・家電)の需要が旺盛で、今後も輸出の好調が続こう。また、五輪特需でテレビ・DVD機器など民生用電子機器の輸出増加が見込まれる―等々、輸出貿易の拡大が期待されるというもの。

 日本にとって中国の今の日の出の勢いは結構なことなんだが、日本の唯一の輸出相手国アメリカは、消費国でもあった訳だが、中国にアメリカほどの消費経済力はない。心配なのは、たとえばサブプライム・ローン問題でアメリカ及び各国で消費が停滞すれば、中国は沈む。日本はおぼれ死ぬ危険性がないとはいえないということだ。

 貿易相手国第1位の中国の存在。一過性の実績とは言わぬまでも、まだまだ注視する必要がありそうだ。人民レートや人件費の上昇、コストが限界に近づきつつある現状から、世界の工場としての中国の存在感はこの先どうなるだろうか…その岐路に立つのはそう遠くなかろう。


[2008年4月17日付紙面から]


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