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社説 波紋

昨今の材料費も人件費も、コスト高は企業を締め付ける

 材料代が上がり、人件費も上がる。副資材の値上げも馬鹿にならない。そんな訳で製造業の多くがコスト高に頭を悩ましている。

 一番頭を痛めているのが中小企業で、その中でも個人企業の経営者たちだ。規模が零細の方へ行くほどコスト高をかわせないようで、赤字の嵩みかたも激烈で中小零細、個人企業にとって昨今のコスト環境はきわめて過酷な状況のようだ。平成19年の中小企業実態基本調査速報(経産省・中企庁)でも、中小企業は企業数が減っていることもあり、従業員数・売上高・経常利益のいずれも前年調査に比べて減少している。特に個人企業においては経常利益の減少幅が大きい―としている。

 19年の中小企業(対象企業)は法人企業が83,115件、個人企業が23,287件の計106,402件で、そこで働く人の数は約276万人(前年約300万人)、売上高は479兆円(同519兆円)だが、個人企業の目減りはきわめて顕著で、その存在シェアは中小企業全体の二割にとどまる状況。

 材料費、人件費は人並みにかかり、儲けが少ない―とこぼすそれらの経営者たちの嘆きをあざわらうかのように、現在のコスト高は、きわめてかわしずらいのが現状。


[2008年4月7日付紙面から]


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