現在位置: HOME > コラム > 波紋 > 記事


社説 波紋

寡占業種の鉄鋼メーカーの値上は…すべての業種にまでいきわたるのか?

 鉄の消費量がその国の文化水準のバロメーターといわれるほど、鉄の需要はあらゆる分野と関連性を持っている。従って鉄の価格が値上がりすることはすべての物価に影響を及ぼし、ひいては個人の台所にも響いてくることになる。

 寡占業種の鉄鋼メーカーは必ず春先になると値上げのアドバルーンを上げる。原料が周知の高止まり続けているから、値上げの理由なんか紙切れに一行も書くだけで押し切れる。中小企業の部品メーカーが動脈を切った位に出血して納めている品物に百も二百も値上げの理由があっても聞き入れてもらえないのとは大違いだ。

 独禁法に触れようが触れまいが、鉄の法律家の方が公取委の連中よりその道では手腕が上だから怖いものなんか何もないと言いたそうだ。だから、原料高の現状が世界的にも認知されているだけに強気で30%と大幅な線を出してきた。

 卸、加工分野向けに一番やりを突きつけたあとは自動車向けの薄板鋼板で本格的な春の値上戦が始ることになる。下請けメーカーは恐々として見守るのだ。


[2008年2月27日付紙面から]


バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

注目のニュース
特集
  • 阪村氏「ねじと人生」
  • 機械要素技術展
  • 最古唐招堤寺からねじ発見
  • 同志社クラーク記念館からボルト