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社説 波紋

日本の後続「韓・中・台」は追い上げランナー!?

 先般、日本、韓国、中国、香港のねじ協会による五地域ねじ協会交流大会で開催された際の本会議では、輸出で成り立っている台湾業界は、近年海外へ生産を移転しているので国内で生産して海外へ輸出するとの流れが極めて停滞してしまった。おっつけ国内生産も頭打ちとの、全体に暗雲が立ち昇っているということだ。

 中国は、今更で―といいたくなるISOの舞台でインチ系ねじの返り咲きを唱えだしているが、今回の会議では高付加価値の必要性をしきりに唱えている。高付加価値化の方向をめざす必要があるという点は台湾とて同じことを提唱した。インドなどアジア諸国の追い上げが急だと、逃げ道づくりを真剣に考えだしている様子がうかがえる。

 十数年前あたりでは、今の韓国には考えられない高機能ベタ、機能コンプレックスがあり、日本にとって韓国は単なる後続のランナーに過ぎなかった。電機製品やカメラなど先端機器の分野などでは、製品に付加した機能が複数など手が出なかった。単機能では付加価値が劣るので日本は逐次新しい機能を追加し、世界の市場を切り開いていったのである。韓国はあれこれと機能が増える世界の趨勢に着いて行けなかったので、日本は安心の境地に長いこと漬かっていたわけである。

 国際交流会議で、台湾、中国など近隣国が安価な標準品ではこの先追い上げを食うばかり―だといって一斉に高付加価値をめざす声高に唱えはじめた。ねじ製品の高付加価値化は日本がよい手本だ。後続ランナーというより追い上げランナーになるのもそう遠くないだろう。

[2007年12月7日紙面から]


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